こんにちわ、れんたろうです!
先日(だいぶ前に)紹介した”250TR”のレストアをしていこうと思います。
250TRが元気に走り出すまでの過程を記録していきます。
第一弾として、今回挑戦するのは・・・キャブレーター清掃編です!
レストアの第一前提
まずはキャブ清掃!と言いましたが、
大前提としてこの車体(エンジン)が、果たして生きているのか、死んでいるのか確認する必要があります・・・
メモ
①いい圧縮
②いい火花(プラグ点火)
③いい混合(空気とガソリン)
上記3点が揃って、エンジンは鼓動を始めるわけですね。
というわけで、まずは250TRが動走り出すための条件が揃っているのか確認する必要があるわけです。
そこら辺に転がっていたバッテリーと250TRを仮繋ぎして、
・セルスイッチを押した際に、プラグホールから排出される空気を確認 ⇒ 圧縮ありそう ※本当は計測器で図りたいところ・・・
・プラグを外して火花がでるかの確認 ⇒ 火花の確認OK ※必ずプラグをエンジンにくっつけるなどしてアースしてください!
上記の確認ができたので、①と②は一旦問題なしだと仮定します!
残るは③の”いい混合”ができてない可能性を取り除くべく、キャブ清掃をします。
レストア/キャブレーター 清掃・調整スタート
初心者の方には250TRのキャブレーター清掃は比較的やりやすいと思います。
その理由を踏まえ、要点も抑えながら、手順に沿って解説していこうと思います。
でもいちばん大切なのはチャレンジしようとする心意気です!
その前に準備したいただくと良いものを書き出します。
参考
工具 ※車種によってサイズなど変わってきます
- (+)ドライバー
- (ー)ドライバー
- スパナ、メガネ
- ペンチ
清掃道具
- 歯ブラシ
- 細い針金
- ウエス
- 真鍮ブラシ
- キャブクリーナー
- パーツクリーナー
その他
- トレーなど部品の受け皿
- マスキングテープ
- スマートフォンやカメラ
キャブレターを車体から取り外す
とりあえず、車体からこのキャブレター本体を取り外します。
TRは単気筒エンジンになるため、キャブレーターは一つのみ搭載しています。
これが多気筒になるとだいたい増えるので外すのも、調整するのも大変なんです。
(V型二気筒だとキャブが一つになっているモデルも存在するようです)
ちなみに初めて取り組もうとしている方におすすめしたいのが、
必ず作業前にたくさん写真をとること!です。
これどこの部品だろ?とか、意外に忘れてしまうんですよね。
装着忘れ・装着間違いを防ぐためにこれでもかー!ってくらい、いろんな角度で撮りまくりましょう!
ホース類の取り外し
キャブレーター底面にキャップボルトが横向きに鳴っている部分があります。
ガソリンタンクのコックを”ON”にしたあと、そこを緩めるとキャブ本体に残っていたガソリンが流れ出ますので抜き取りましょう。
ガソリンを抜き終えたら、キャブにつながるホース類を取り外します。
古い車体や放置車はこのホースが固くなりすぎて抜きにくくなっていますので、
気をつけながら少しづつ作業を進めます。ホースクランプなどはペンチで挟むと取りやすいかと思います。
この車体に関しては、ホースが固着はしておらず比較的取りやすかったです。
よーく見てみるとホースが2本刺さっています。
これは250TRが負圧式のキャブを搭載しているので、負圧によって流れる(ON)、もしくは負圧関係なく流れる(PRI)の2種類をコックで選べるようになっているからです。
ちょっと難しい話になるので一旦飛ばしますが、上記の理由からコックを”ON"に回しておかないと、ガソリンが流れまくってしまうわけです。
※”ON"って響きから、こっちのほうがガソリン流れまくりそうなイメージありますが、違うのでご注意ください!
ワイヤー類の取り外し
キャブレーターに繋がるアクセルワイヤーを取り外します。
面倒くさかったので特にワイヤーを緩めることなく取り外しちゃいましたが、ハンドル側のアクセルホルダーを外すと簡単にできるかと思います。
250TRにはホースが2本あったと同じように、アクセルワイヤーが2本あります。キャブ車は基本2本ついています。
ハンドルの右側グリップ・アクセルを回すと、アクセルワイヤーが引っ張られてキャブが稼働する仕組みですが、
引っ張られたあとに戻る動作を必要とします。その動作のために、2本目のワイヤーが補ってくれているので2本あるんですね。
長さも微妙に違っているので、取り外したあと復旧しやすいように、マスキングなどで印をつけると良いと思います!
その他、配線の取り外し
250TRにはキャブヒーター(冬でもエンジンを掛けやすくする仕組み)がついていますのでその配線も外しましょう。
タンクした近くに黒いカプラーを外すとそのままキャブレーター本体が取り外しできるようになります。
接合部分から取り外し
とりあえず、キャブにつながるものは概ね外しました。
最後にエンジン側のインシュレーター(黒いゴム)の固定バンドをドライバーで緩めます。
緩めるとキャブレター本体がグラグラしだしますので、エアクリボックス側から引っこ抜くように取り外します。
無事取れたら、エンジンに異物が混入しないよう養生テープやマスキングなどを利用して、
簡易的に蓋をしてあげると良いと思います。
キャブレーターをオーバーホール
それでは、キャブ本体のバラシ作業に入ります。
ありとあらゆるネジを丁寧にドライバーやスパナなどで外しますが、精密部品になるため丁寧に扱いましょう。
このネジ類も固着している可能性が高いので、ネジ頭が舐めないように気をつけながら緩めていきます。
コツは ” ドライバーを回す力:2割 ドライバーを押す力:8割 ”でやることです。
怖いもの見たさで、ガソリンの貯まるフロート室(キャブ下側)のボルトを緩めて覗いてみましたが・・・、
この状態では間違いなくエンジンがかかることはないでしょう!笑
何年ものの汚れでしょうか・・・。相当放置していたことがわかります。
ガソリンは腐るとゴミなどと混ざり緑っぽい色になってベタベタした物体に変わるんですねー
順番はどこからでも良いのですが、れん太郎はキャブレーターの上部(黒い樹脂の蓋がある方)から作業にかかりました。
こちらはダイアフラムがスプリングと一緒に収納されています。
開けたと同時に勢いよく部品が飛び出ししますことがあるので気をつけましょう。
蓋をゆっくり外し、ダイアフラムを確認します。破れは見受けられないので一安心。。。
この黒いゴムの膜のようなものに穴が開いていると交換が絶対になりますが、部品代が高いので救われた気持ちです。
ニードルも曲がってなさそうで安心しました。
次はキャブの下側。
既にフロート室の蓋は外してありますので、中に装着されているジェットやフロートも全て外します。
ジェットと呼ばれる真鍮製の部品は-ドライバーやレンチを使って外しますが、精密な部品になるため、
ネジ頭が潰れたりしないようにしてください。場合によっては、燃調に影響が出る恐れがあります。
フロート(中央のプラスチック製の浮き)はピンが差し込んであるだけなので、爪楊枝など細いもので押し出します。
フロートを外すと、中に先端がゴム製でできているフロートバルブがくっついてきます。
かなり重要な部品で、ガソリンをフロート室に送る調整機能を担っています。
フロートバルブはよくゴム部分が段付きになって機能しなくなると聞きますが、見てみるとキレイな印象だったので、
そのまま使おうかと思います(本当は交換を推奨します!)
取り外したものすべてが汚れまくっていますのでこれを清掃します。
ここで出番がキャブクリーナーです!強力な洗浄効果に期待できる代物です。
ケチらずにたっぷり外したものにキャブクリーナーをかけてやりましょう。本当はトレーの中でキャブクリーナー漬けにして放置するのが良いのですが、時間とコストの都合上、割愛しました。その分丁寧にブラシで擦ってやりました!
きれいになりましたら、外した逆順で組み付けていきます。
ここで失敗したことがありました。
パイロットスクリューという部位のねじ込んであった戻し数を図り忘れていました。
ネットで調べて、締め込んだ状態から2回と1/2回戻転しで一旦合わせときます(一応エンジン始動後に再調整ます)。
戻す作業は写真に撮りませんでしたが、組み立て終了!ここまでおおよそ1時間位で作業はしました。
キャブレーター装着復元とエンジン始動の儀
組み終えたキャブを車体に戻します。
ホース類もワイヤー類もすべて復元して、緩んでいるネジなどがないかもしっかり確認して・・・ひとまずOK!
※不安な方は既に撮影してある写真を何度も見直して確認しましょう
バッテリーを仮つなぎして、フューエルタンクからガソリンをキャブに送り込みます。
いざ、セルスイッチON!!!どきどき・・・
・・・
・・・・・
あれ?エンジン掛からないぞ?
静かな車庫の中にはセルがキュルキュル回り続ける音しか響いていません。
あー、失敗です。
って、キャブレターを覗き込んでみると、めちゃくちゃお漏らししてますやん!!!!!
うわー、、オーバーフローしてますやん(テンパリ気味)!!
ガソリンで汚れたとか、ガソリンの匂いが充満したとか以前に、高騰している貴重なガソリンを垂れ流してしまっていることに涙が出そうになる憐太郎・・・。
※想定していない事態だったので、写真を撮影する余裕さえありませんでした・・・
原因の究明
あんなに汚れながら丁寧に作業をしましたので、間違いなくエンジンは掛かるものだと思っていました。
だからこそ、テンションは直滑降に下がりました・・・。
と言っていても250TRが元気にエンジンを動かすことはないので原因を考えます。
考えられる原因
エンジン未始動
①洗浄がまったく足りていなかった、やり直し
②清掃後、組み付けた部品の向きや順番が間違っていた
③ガソリンタンクに残っていたガソリンをそのまま使った
⇒ 色がきれいだったので、使えると思ってしまっていた自分に反省
オーバーフロー
①洗浄が足りておらず、ゴミや汚れがフロートに挟まった
②部品の再利用がまずかった
③フロート室内の油面の高さなどしっかり計測して調整をしなかった
⇒ 手抜き作業の結末ですねー・・・
今日は時間の都合上、再トライができなかったので、日を改めて再挑戦します。
ごめんね、250TR。復活させてあげられなくて・・・。
キャブレーター清掃のまとめ
というわけで、250TRのキャブレーター清掃にチャレンジしてみましたが、見事に失敗です。
大まかな流れは間違っていなかったと思うので、次回再チャレンジをします!
次回は
- 新しいガソリンを使ってあげる
- フロートパッキン、フロートニードルの新調 ※予算による
- さらなる丁寧な仕上げと道具の準備
を準備しておきます!
最後に、『失敗は成功のもと』と言われる通り、失敗あってこそ次に繋がる!と都合の良い風に解釈していますが、
挑戦してみたら案外簡単だと思いますので、広く広めていけたらなーーんて思う憐太郎でございました。
おしまい